Web magazine - Party report

PARTY REPORT

Text by SHIGEKO WATANABE (HOT STUFF PROMOTION)
Photo by MENGO JAPAN 2009

マルコス・スザーノのスペシャルユニット初来日。最高のひととき!!

マルコス・スザーノ。言わずと知れたブラジルの打楽器であるパンデイロの新たな奏法生み出し、それを世界的なパーカッションとしてしまった張本人。 プライベートも含めると既に30回以上来日しているという。近年ではGANGA ZUMBAのメンバーとしてやドラマーの沼澤尚さんとのユニットでの公演が多く、ブラジル人ミュージシャンだけのライブは、10年近くやっていない。
リオ発のフライト遅れのため10時間遅れでの到着。でも成田に着いた3人はいたって元気。乗り継ぎのパリのVIPルームですっかりくつろいで来たご様子。

24日の名古屋公演を経て、いよいよ25日のUNIT公演。名古屋から新幹線で戻って来てJ-WAVEの土曜午後の番組 『MODAISTA』 の収録をし、すぐにリハという強行スケジュール。六本木ヒルズでいただいた、天ぷらそばが効いたのかみんなゴキゲンだ。 UNITに到着するとスザーノの大親友の沼澤尚さんが外でお出迎え。リラックスしたムードが流れる。今回のスザーノのセットは近年無いくらい大掛かりなもの。お盆なんていうのもある。 ペダル、エフェクター類が非常に多い。詳細は10月発売の リズム&ドラム・マガジン に掲載されるのでお楽しみに。
東京のPAエンジニアはつい先日スザーノがプロデューサーを務めるブラジル、リオデジャネイロとサルヴァドールで行われているパーカッションイベント、ペルクパンで来伯させたOKI DUB AINU BANDの内田直之氏で、東京に戻ったとたん友人に囲まれて楽しそうだ。
リハが終わりついにいよいよ本番。BGMは名古屋からの新幹線の中でカチアがつくったもの。ノイズのSEが流れた後、スザーノとヴィトールが登場。ヴィトールはブラジル、ポルトアレグレのシンガーソングライター。地理的な関係もあってウルグアイやアルゼンチンのミュージシャンとの親交も深い。私は彼の声はカエターノ・ヴェローゾにも通じるところがあると思っている。彼は初来日だ。



CDの1曲目でもある「LIVRO ABERTO」でライブはスタート。
途中ヴィトールが袖にはけている間、スザーノのパーカッションソロ。こんなにじっくりスザーノのパーカッションが聴ける機会は最近なかったのではないだろうか?パンデイロと歌だけの「O COPO E A TEMPESTAGE」に続いて お待ちかねのカチア・ベーが登場。彼女も初来日だ。カリオカでファッショナブル。客席から思わず「かわいー!」という声が飛ぶ。既に20歳を超えたお子さんもいるようだけど。このDUOへの参加作品としてはおなじみの「Que Horas Nao Sao?」から彼女のパートがスタート。ヴィトールとの掛け合いもいい。英語の曲2曲のあと、ショーの中ではアップテンポの楽しげな曲「CANTO DE ALEGRIA」。スザーノがラップも披露。なかなか馴染んでいる。

カチアが舞台から姿を消した後、またスザーノとヴィトールの世界へ。
ギター、声、パーカッション。とてもシンプルなセットだけど、これで充分だ。
エフェクターがたっぷりかかっている。PAエンジニア内田直之の本領発揮か?

1時間半があっと言う間に終わる。今回気になったのは男性率が高いこと。
なぜだろう?
お客さんのアンコールに答えて2人が登場。「ESTRELA ESTRELA」の後、カチアを呼び込む。先程2人で演奏した「VIAJEI」をカチアが加わったヴァージョンで演奏。やはり華やかだ。最後はもう一度「Que Horas Nao Sao?」で終了。

本人達もとても楽しかったようで、ヴィトールなどは「もう1回やりたい!」と言った程。

観た人は非常にラッキーな公演だったのでは?



翌日26日はSALOONでワークショップ。
1部はPIKAIA PANDEIRO SPECIALに加わってもらって、ブラジルのリズムをいくつかデモンストレーションして、スザーノがパンデイロに落とし込んだものを見せて、解説するという流れ。ホワイトボードや地図も用意されていたのでさながら社会科の授業のよう。お客さんは熱心にスザーノのプレイを見つめる。 後半は前半にみたリズムをスザーノと一緒に叩いてみる。結構ハイレベルなワークショップだ。パンデイロの選び方や、練習の仕方まで説明してくれて至れり尽くせり。充実したワークショップだったのでは?
その後、2日間のOFFで東京をすっかり満喫した後、成田を発って行ってしまった。
今回の来日、コンパクトだったけど、内容の濃いものだったように思う。
また、このトリオをみたい!!