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音楽の未来へ向けて革新を続ける代官山UNITのカウントダウンが大決定!注目されるヘッドライナーは、UKロックシーンから飛び出した奇跡のバンド"A Mountain Of One"!あらゆるアンダーグラウンド・ミュージックやアートのエッセンスをミックスした独自の世界観で大きな注目を集める彼らだが、その全貌は未だ謎も多い。そこで彼らのバイオからいくつかのキーワードをピックアップし、その驚異の世界に迫ってみたい。



A MOUNTAIN OF ONE(ア・マウンテン・オブ・ワン)とは?
昨年発売された2枚のEPによってバレアリック・ムーブメントを直撃し、話題沸騰中の超新星。イギリスのメディア/業界を虜にしているアーティスティックでサイケデリックな世界と圧倒的な存在感は現代に蘇る正統派UKロック・バンドであり、神秘的なライブ・パフォーマンスも絶賛されている 。



中心メンバーはオアシス、トリッキーなどのライブ・キーボーディストとして活躍したZeben Jameson、伝説的イベントを数々手掛けたMo Morris、シケインの活動で知られるLeo Elstob他。

その音楽性/世界観を言葉で表現するのは難しいが、彼らのサウンドとビジュアルから浮かび上がってくる記号を拾い上げてみるなら、まずサイケデリック・ロック、ジャーマンプログレッシブ、ジャム、等々の前衛的なロック・ムーブメントがある。そしてエレクトロニカ、ポスト・ディスコ・パンク、セカンド・サマー・オブ・ラヴからのアンダーグラウンドなダンスミュージックといった記号も見逃す事の出来ない要素として彼らの音楽にの中に存在している。

このいくつかの記号/キーワードに沿って、彼らが紹介される時しばしば引き合いに出される歴代のレジェンドを列記してみよう。

UKからはまずピンク・フロイド、キング・クリムゾン、フリートウッド・マック、ロキシー・ミュージックなど、クラシックやジャズなどの音楽的アプローチや演奏法にとどまらず、精神までも取り込もうとしていた、前衛的あるいは先進的/実験的なバンド達の存在が見えてくる。


■ピンク・フロイド 「The Dark Side Of The Moon」




オーガニックなメロディとダンスミュージックを融合しているという点では、90年代のストーン・ローゼスなどとも並び称されている。またロック~ダンスミュージックという流れを違和感なく行き来するアティテュードは、ゴング~システム7と渡り歩いて来たスティーブ・ヒレッジとも共有していると言えるだろう。


■ストーンローゼス 「THE STONE ROSES」



■システム7 「PHOENIX」




そしてパンク、ニューウェーブ、そしてエレクトロニック・ミュージックに大きな影響を与えた、クラウト・ロック/ジャーマン・プログレッシブ・シーンからはカンやノイ!、マニュエル・ゴッチングといったアーティストが浮上してくる。



■カン 「Future Days」



■マニュエル・ゴッチング 「E2-E4」




ライブ・パフォーマンスの即興の要素と開放感は、ジャムバンド・シーンの最重要バンド、フィッシュを連想させる。



■フィッシュ 「Vegas 96」




このように様々なロック・レジェンドの影響を色濃く感じさせつつ、このバンドを現代において最も光り輝かせているのは、最先端のアンダーグラウンド・ダンスミュージックとのリンクである。

主要メンバーとして参加しているMo Morrisは、DJ/オーガナイザーとしても名高く、彼が主宰するパーティ"Electrric Stew"でこれまでに競演して来たのはDJハーヴィー、フェリックス・ダ・ハウスキャット、DJヘル等々、、をはじめとするアンダーグラウンド・スター達。

こういった活動からバンドの音楽的なバックグラウンドへフィードバックされる要素は、間違いなくポスト・ディスコ・パンクの筆頭、!!!(チック・チック・チック)やエレクトロニカ・ジャムバンド/ジャム系ロックバンドなどとも言われるSTS9らの音楽へ接近させている。



■!!! 「LOUDEN UP NOW」




さらに、Mo Morrisの交友関係とDJプレイスタイルである、サイケデリック、バレアリック、プログレッシブといったキーワードからは、Idjut Boysも足繁く通っていたというDJハーヴィーが主宰していたロンドンの伝説のパーティ“MOIST”や、ハーヴィーと Rub'n Tag の Thomas Bullock によるユニット Map of Africa の世界観、AMO1の同胞ともいえるスウェーデンのSTUDIO、ノルウェーの Lindstrom、パリの Ivan Smagghe、日本の“Life Force”に至るまで、世界中のアンダーグラウンド・ネットワークがひとつに繋がる流れが見えてくる。


■Map of Africa 「Map Of Africa」



そしてもう一つ、彼らの世界を構成する重要な要素がビジュアルである。神秘的な雰囲気すら漂うそのライブではキー・ビジュアルとして、背景にアレハンドロ・ホドロフスキーの最高傑作"ホーリー・マウンテン"を上映しながら行うという。

ホドロフスキーといえば、ミュージシャンズ・ミュージシャンならぬ、ディレクターズ・ディレクターとも言うべきカルト映画作家である。過去30年以上に渡ってジョン・レノンやミック・ジャガー、アンディ・ウォーホルら各方面のトップ・アーティストに熱烈なファンを持つその映像美と、ア・マウンテン・オブ・ワンのパフォーマンスの融合は、圧倒的な存在感を示すものとして絶賛されている。

■アレハンドロ・ホドロフスキー 「ホーリー・マウンテン」


このように非常に幅広いバックグラウンドを感じさせながら、中心には強烈なコアを持つバンドの登場は久しくなかったことだ。彼らが生み出す世界の壮大なスケール感はリアル・UKロック・ミュージックの復権を確信させる一つの事件である。ミュージック・シーンのみならず多方面のメディアから大きな注目を集めている彼らの初来日にして2007年最後のライブ、そして2008年最初のライブに立ち会える幸運を噛み締めつつ、新たな音楽の扉が開く瞬間をぜひ見届けて欲しい!


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