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ブルックリンをベースに活動を続けるバビロン・ロッカー、ドクター・イスラエルは、 ダブ、レゲエ、ジャングル、ドラムン・ベースに強く影響を受けたプロデューサー/ ヴォーカリストである。 幼い頃よりダブやレゲエに親しみ、バッド・ブレインズな どのハードコア サウンドにも大きな影響を受けた彼は、ニューヨー ク移住後の92年頃から ビル・ラズウェルのサウンドシステム・パーティでライブを始 める。 95年からはダブ、ヒップホップをベースに置いたダークでイルネス溢れるサウ ンドをクリエイトし、 勃興しつつあったイルビエント・シーン(※)のパイオニア、ワード サウンドに携わる。 自身も参加した、『Crooklyn Dub ConsortiumVol1&2』は、イルビ エントシーン屈指の名盤であり、当時のNYのアンダーグラウンドシーンを今に伝える 貴重なドキュメントである。




その後ドクター・イスラエルは96年に自身の作品『7 TALES OF ISRAEL』を発表する。 98年にはBROOKLYN JUNGLE SOUND SYSTEMとの共作『NEXT STEP』(Baraka)、 RANCIDとの 共演曲を含むソロ・アルバム『INNA CITY PRESSURE』(Mutant Sound System)をリリース。 日本でもジャングリストから絶大な支持を受け、99年3月には JAH SHAKA の日本公演にゲスト 参加している。





03年には、大胆にも全曲ピンクフロイドをレゲエカヴァーして大きな話題となった、 EASY STAR ALLSTARSにもフィーチャリングされるなど活動を広げている。





そして05年には、バッド・ブレインズやニューヨーク・ドールズ、ジェームス・チャンス、 ラウンジ・リザース.... といったNO WAVE一派から、アルファ&オメガ、ラス・マイケル、 マイキー・ドレッドといったルーツ/ダブサウンド、 そしてかつては日本の誇るダブ・ バンドのパイオニア、ミュート・ビートのアメリカ版もリリースしていた 80年代から続く NYアンダーグラウンドの総本山、ROIRレーベルより、 二人の女性ヴォーカリストをフィー チャーしたDREADTONEINTERNATIONALとして 『PATTERNS OF WAR』を発表。





現在は自身のスタジオREVOLUTIONSOUNDをベースに マイペースな活動を続けながら、長年 の盟友でもあるビル・ラズウェルが主宰する『METHOD OF DEFIANCE』へ参加。 そして07年 代官山UNITのアニバーサリー・イベントの為、その中心的なメンバーとして待望の来日を果 たす!





※ "イルビエント"とは90年代前半のNYで、WEのDJオリーブが提唱したムーヴメント。代表的なアーティストとしてはDJスプーキー、WE、 BADAWI a.k.a. SUB DUB、The X-Ecutionersのロブ・スウィフト、WORD SOUNDのspecterなどがおり、もちろんビル・ラズウェル、Drイスラエルもその渦の中にいた。ヘヴィなブレイクビーツ、スモーキーなダブを基調にしたサウンドとインテリジェントなコンセプトは、ミュージックシーンの地下水脈として現在も影響を与え続けている。